美時記
美と時と記憶は儚く薄れいく
2024年4月14日日曜日
帯状疱疹
左右可変
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帯状疱疹**
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発症
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帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスに起因する病気で水ぼうそうウイルスが再活性化して発症する。 ウイルスは水ぼうそうにかかった後も神経に潜んでいて、そのウイルスが再活性化することで発症します。 50代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれます(下図)※1※2。 加齢や疲労、ストレスによって免疫機能が低下したときに、潜伏していた水ぼうそうウイルスが再び目を覚ますのです。 症状としては、身体の片側にビリビリと刺すような痛みが生じ、赤い発疹と水ぶくれが帯状に現れます。通常は水ぶくれが破れた後、かさぶたになり、3週間ほどで治癒します。ただし、皮膚の炎症が治まった後、3カ月以上経っても痛みだけが残るケースがあります。 これが神経を損傷したことで起こる「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる後遺症です。こちらも高齢になるほど発症率が上がります。
予防策は疲労やストレスをためないこと
帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬や痛み止めが中心です。重症度に合わせて内服、点滴を使い分けます。抗ウイルス薬は症状が出てからなるべく早めに投与を開始することが重要です。一方、PHNに対しては、確実な治療法がないのが実状です。症状が強い場合は、麻酔科(ペインクリニック)の医師と協力して治療にあたります。 予防策としては、疲労やストレスをためないこと。 規則正しい食事、睡眠を心がけることが基本です。ただ、忙しい現代人にはなかなか難しいのではないでしょうか。そこで、予防の選択肢として知っておいていただきたいのが、予防接種です。 50代以上の人なら、皮膚科や内科で、帯状疱疹の予防接種を打つことができます。最近は接種費用を助成している自治体もあるので、ぜひ一度かかりつけ医に相談してみてください。
日本人成人の9割が発症リスクあり ――
50歳以上で発症が増加する帯状疱疹ですが、どういう人がかかりやすいのでしょう?
渡辺 過去に水ぼうそうにかかった経験のある日本人成人の9割以上が、帯状疱疹を発症する可能性があります※2。かかりやすいのは、やはり疲労やストレスを抱えている人ですね。免疫抑制剤や抗がん剤の一部には免疫機能を低下させるものもあり、注意が必要です。
風吹 帯状疱疹はうつるのか……というのも気になるところです。
渡辺 帯状疱疹は、体内に潜伏していた水ぼうそうウイルスが原因で発症するため、成人同士で感染することは基本的にありません。ただ、予防接種前の乳幼児に水ぼうそうとしてうつす可能性があることを頭に入れておきましょう。
風吹 お孫さんと一緒に過ごすようなときは、注意が必要ですね。 ―― 受診のサインはどう考えればいいでしょう?
渡辺 身体の片側に痛みと赤みが出てきたら帯状疱疹を疑ったほうがいいかもしれません。
腰痛かと思ったら帯状疱疹ということも ――
帯状疱疹は周囲の人にうつるものですか。 風吹 私の知り合いは、肉離れだと思って我慢していたら、帯状疱疹だったそうです。
渡辺 肩こり、腰痛がひどいと思って病院に行ったら帯状疱疹だったというケースはよくあります。空振りでもいいので、早めの受診を心がけていただきたいですね。 ―― 早期受診のメリットはありますか?
渡辺 やはり皮膚の炎症を最小限にして、痛みを防ぐためにも、早めに治療をスタートすることが重要です。
風吹 渡辺先生の講演でPHNのお話も気になりました。具体的にどのような症状が出ますか? 渡辺 ビリビリと電気が走るような痛みが3カ月以上続いて、眠れない、風が吹いても痛い……といった患者さんもいます。なかには10年続くようなケースもあります。 家族や知り合いと帯状疱疹の情報共有を
風吹 10年ですか。ちなみに帯状疱疹は再発することもありますか? 渡辺 多くの人は一生に一度しかかかりませんが、発症から数年経過し、免疫機能が低下すると再発することがあります※1。 ――
予防法を具体的に教えていただけますか?
渡辺 帯状疱疹を予防したいなら、予防接種という選択肢もあります。今は、帯状疱疹の予防接種の助成制度がある自治体もありますよ。
風吹 今日、先生に教えていただいた内容を家族や知り合いにも伝えたいと思います。
渡辺 帯状疱疹の治療法は日々進化しています。一方で、帯状疱疹には予防接種があることを50代以上の皆さんにぜひ知っていただきたいと思います。。
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知っておこう!
「帯状疱疹」とは 帯状疱疹は、体の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う赤い発疹です。 帯状疱疹の原因は水ぼうそうと同じウイルスで、日本人の成人90%以上の体内に潜んでおり、加齢や疲労、ストレスで免疫機能が下がると、ウイルスが活性化して帯状疱疹を発症することがあります(※1)。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています(※2)。
年齢別の帯状疱疹発症率 調査の対象と方法:2009〜2015年に帯状疱疹を発症し、宮崎県皮膚科医界に属する医療機関(皮膚科診療所36施設、総合病院の皮膚科7施設)を受診した患者34877例の性別および年齢を調査した。 出典:Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017から作図
帯状疱疹の初期症状は、皮膚の痛みや違和感・かゆみなどです。皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しくなる場合もあります。多くの場合は皮膚症状が治ると痛みは消えますが、神経が損傷されることで皮膚の症状が治った後も痛みが残ることも《帯状疱疹後神経痛(PHN=ピーエイチエヌ)》。目や耳や顔に症状が出ることもあり、仕事や日常生活に支障をきたす場合があります(※3)。 もし帯状疱疹を発症してしまった場合、皮膚科や内科などの医療機関を受診し、医師と相談の上でできるだけ早期に治療することが重要です。
帯状疱疹 帯状疱疹の予防には、栄養バランスに配慮した食事、散歩・ウオーキングなどの適度な運動、良質な睡眠、規則正しい生活習慣など、免疫機能を低下させないよう日ごろから体調管理を心がけることが大切です。 また、帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつとして、50歳以上の人は予防接種を受けることができます。予防接種は任意ですが、自治体によっては費用補助を実施しているところもあります。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。 疾患や治療・予防については医師とご相談ください。
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